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[野方の家] 相続から始まった家づくり
先代の建物を引き継ぐことがきっかけで、家づくりを検討された建主ご夫婦。
当社へのご相談前の経緯ですが、これから家づくりをご検討の方・当社への依頼をご検討の方に参考になるものでしたので、ブログに残したいと思います。
戸建住宅の相続。リノベーションか?建て替えか?
当社に相談を頂く半年ほど前に建物を相続された建主。
「既存の建物の壊し、資材を捨てることに抵抗がある」
ということで当初はリノベーション(リノベ)を前提に検討を始め、調べるうちに、家づくりの「断熱・気密」の重要性に行き当たったお二人。
そのきっかけとなったのはこの本です。
私も読みましたが「断熱・気密」に伴う健康や光熱費の事もわかりやすく説明されていて、とても読みやすい本です。おすすめです。
「リノベ=断熱・気密工事費が安い」ではないという発見
リノベ+断熱・気密をしっかり施す、という方向でお二人が調べていくうちに、自邸の場合だと、
・「断熱・気密」、そしてそれを支える「構造」をしっかり行うには2000万円以上のリノベ工事費がかかる
・それだけ投資しても求める断熱性能には限界がある
・さらに健康被害をおよぼずカビ等の十分な除去も難しい
・デザインも間取りも自由度に限界がある
という現実を知り、費用対効果を十分検討された結果、リノベではなく、建て替えへと舵をきられました。
これを伺った時、プロである私たちも「そうなんですよー」と膝を打ちました。
「リノベは安い」と誤解されがちですが「断熱・気密」をしっかり施すと安くはありません。
リノベでも新築でも言える事ですが、冬暖かく・夏涼しく暮らすためには「断熱・気密」を含む温熱環境をしっかり整えなければ、期待する効果はでません。
性能を保つためにはそれ相当の工事費がかかります。
実際に当社でも「リノベで安く。暖かく・涼しい、理想の家づくりをしたい。」という思いで当社にお越しの方もおられますが、同様の理由で建て替えを選択されることがあります。
建築家+造園家でつくる家づくり
建て替えが決まると、
「せっかく家をつくるなら、一緒にアイデアを共有できる方がいい」
「家づくりを楽しみたい」
「効率優勢の営業トークに踊らされたくない」
という思いから、デザインや性能にこだわりを持った工務店・設計事務所を何件も訪問されます。
当社を知られたきっかけは、ガーデンデザイナー「エービーデザイン」さんのホームページのリンクだったとのことで、
「建築家+造園家がコラボレーションして家づくりをすることがあるんだ」と驚かれたそう。
建主は当初から家づくりのテーマに
「雑木林の中に佇む家」
「健康になれる家」
をイメージされていたので、お二人が大切にされている感覚との親和性を当社に感じていただいたとのこと。
その後、実際に事例をご覧になったり、オープンハウスにお越し頂き、家づくりがスタートすることになりました。
現在は工事が続く中、工務店・素材メーカー・動画撮影・照明デザイン・造園家・庭師、さまざまな人が関わっていますが、先日、建主から「RPG(ロールプレイングゲーム)みたい。強力な味方が少しずつ増えていく中で、どんどん家づくりが力強く良いものになっていく。」と言われたのが印象的でした。
とてもよい家づくりが進んでいます。
次回は「野方の家」で使った、良質の自然素材について書きたいと思います。
冨田 享祐
Photos by KUNIHISA FUKUDA
DATE | 2020. 12. 10 |
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TAG | #家づくりのきっかけ #相続 |
WRITER | 冨田 享祐 |